平野 啓一郎
講談社
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分人とは
人の本性が一つのように言われるがそうではない。
様々な仮面と言われる顔もまた本性であり自分である。
自分は分けることができることから、ぶれない自分とは存在しない。
人とのコミュニケーションから合う人によって様々な顔を見せることになるが、これを相手に合わせずにありのままの自分をごり押ししているとウンザリされる。
我々は相手との個性の間に調和を見出しコミュニケーション可能な人格をその都度形成させて生きている。
平等とはどんな人にも同じ顔で接するのではなく、相手の個性を尊重して分人化する。
八方美人は誰に対しても同じ調子で通じるとタカをくくって相手ごとに分人化しない人、
相手によって自分が形成させてコミュニケーションをしているためにその時の分人の半分は相手のせいでもある。相手が変われば自分の分人も変わる。逆に相手の半分は自分の影響であるから、相手が不幸そうであれば自分の接し方を変えるべきであり、また相手がどんな嫌な人でも自分との関係で分人がそういう面であるから相手の分人を否定するわけにはいかない。
イジメ
イジメを行う加害者は自分の分人に対してイジメをしているため、自分全体を否定する必要はない。あくまでもイジメを受けているのは自分の中の一部の分人。つまり接する相手が変われば苛められる分人が変わり違う分人が再び形成される。楽しめる分人を見つけるのが生きる道である。
愛
他者を経由した自己肯定
自分を好きにさせる相手が自分にとって愛する人。自分の分人が好きになれる相手。その相手と接している時は自分を好きになれるという相手が理想。
分人という考えは僕にとってものすごく衝撃が大きかった。
様々な考えで悩んでいた時期でもあり、そういった考えに対して一つの答えを提供してもらった気がします。
自分をどう表現するか、こんな自分でいいのだろうか、これが自分なんだろうかと色々と考えていた時があります。
その時にこれも自分でありあれも自分、そしてこうなる自分もまた自分であるということが肯定的に考えれたことは非常に大きなものでした。
ぜひ、読んでもらいたい本です
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